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皆様、こんにちは。

事務所の開設にあたりこのように自分のウェブサイトも立ち上げることとなりましたので、せっかくの機会を生かし、僭越ながらコラム欄を設けさせていただきました。筆不精の私にとってこのような試みは無謀以外の何物でもないのですが、特にテーマを法律のことに限定せず、その時々に思いついたことを軽い気持ちで綴っていければと思いますので、お付き合い下さい。

さてサッカーのワールドカップがいよいよ始まり、寝不足の日々が続いている方も多いのではないのでしょうか。私はサッカーにはあまり詳しくないのですが、さすがに先週末の初戦の結果は残念でした。そして個人的にさらにもっと残念だったのが、同時に行なわれていたゴルフの全米オープンです。

がっかりしたのは、期待の松山選手が上位争いをできなかったからではありません。日本予選を通過した日本人プロ3名のうち、2名が予選を最下位とその一つ上の順位で敗退、そして予選を通過した1名も決勝進出者の中でダントツの最下位という結果に、です。さすがにこれには、残念を通り越して同じ日本人として恥ずかしさすら感じてしまいました。

日本予選を通過しても本戦で活躍する選手(どころか予選を通過する選手すら)がほとんどいないことは、全米オープンに限らずその他のメジャー大会に関しても、すでにだいぶ以前から言われていたことです。予選開催コースのレイアウトが悪いのか、距離が短いのか、グリーンが簡単すぎるのか、元々のプレイヤーのレベルが低いのか、はたまたそれら全てか。いずれにしても今回の日本予選が、本戦の開催コースであるパインハーストNo.2において求められている、ティショットの飛距離・セカンドショットでのロングアイアンの精度・荒地からのリカバリー力・亀甲羅グリーンへのアプローチといった要素への対応力を試すための予選としては適切ではなかったことは明らかなように思われます。語弊を恐れずに言えば、論述式の試験の受験資格をマークシートの試験で決めたような感じでしょうか。

結局のところこの問題は、どのような目的で予選という制度が存在し、そのためにはどのような制度がベストなのかという視点が欠落しているところに原因があるように思われます。そして、これと似たような問題が私の業界にも存在しているというのは、ややこじつけが過ぎるでしょうか。先日の一部報道によると、いくつかの有力法科大学院が予備試験に受験制限を設けるように提言したとのことです。私もかつて法科大学院の教壇に立っていましたので、あまり軽はずみなことを言うつもりはありませんが、法科大学院や予備試験そして究極的には司法試験や司法修習という制度が、誰のためにどのような目的で存在しているのか、という視点を持って議論されるべきであるという認識が欠落していることに、混乱の原因の一つがあるように思います。

もちろん制度というものは、それに利害関係を有する人々も絡めて長い年月をかけて構築されてきたものであり、一朝一夕に変えることは難しいでしょうし、いきなり劇的に変えるべきでないことも多いでしょう。しかしながら、ただのゴルフ好きの一法律家としては、両制度が達成しようとする目的に向けてよりふさわしいものへと改善されていくことを、切に願ってやみません。

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