せめてひと月に1回は更新しようと思っていたのに、あっという間に2か月が経ってしまいました。自分がその立場になってみて初めて、定期的かつ頻繁にウェブメディアなどに良質な記事を公開されている方々の凄さが身に染みて分かります。
それはさておき、前回と同様で恐縮ですが、今回もつかみはゴルフからです。仕事の関係上、男子女子を問わず、最近はプロの方とラウンドをご一緒させていただく機会が増えました。私は上手な方とご一緒させていただくのは大好きなので、そのような機会をいただいた時は毎回非常に楽しみにしているのですが、数少ないながらもこれまでの経験から、プロと言っても様々なタイプの方がいらっしゃることがだんだんと分かってきました。ゴルフとは関係のないこちらの仕事やプライベートの話などもうまく引き出しながらその場をとても盛り上げてくれる合コン幹事タイプ、初心者につきっきりでスイング指導を始める教え魔タイプ、一言も話さずにただ淡々とゴルフをするだけのツンデレタイプ・・・などなど。どれが良いとか悪いとかではなく、結局は一緒に回る人がどういうタイプだと心地良く感じるのかということに尽きるのですが、私個人は、ラウンド中にスイングの細かいところをいじられて対応できずにその日がメチャクチャになってしまって嫌な思いをした過去があるので、スイングについてはせいぜいワンポイント的なものにとどめ、むしろそれよりも斜面や深いラフから打つ時の注意点など、なかなか日々の練習だけでは身に付きにくい実践的なアドバイスをいただけると大変嬉しく思いますし、こちらからも折りをみてそのようなポイントについて話を伺うように意識したりしています。そして、そういった相性が合う方は非常に強く印象に残りますし、また機会があればぜひご一緒させていただきたいと思います。
弁護士と言っても最近はその業務内容は多様化していますが、本質的には、様々な場面での法的助言を提供するという、いわゆるサービス業の部類に属するものと私は考えています。ですので、上記のプロゴルファーの例の場合と同様に、クライアントが何を求めているのか、提供されたサービスはクライアントのリクエストに沿ったものか、ということで我々の仕事への評価が決まるということになります。とは言え、クライアントのタイプは様々ですし、同じ法的問題について全てのクライアントのリクエストが同じものであるとも限りません。クライアントと綿密にコミュニケーションを取りながら、相手の求めているものを汲み取るスキルが常に求められます。だいぶ前のことになりますが、企業の新人法務担当者からのご依頼で金融関連法規に関する比較的複雑な質問を受けました。しかし、徹底的に調べてもどうしても不明確なところが解消できず(だからこそわざわざ弁護士に問い合わせるわけなのですが)、相手が「新人」ということもあって、ついその不明確なところをわざと曖昧にしたまま回答してしまったことがありました。しかし、その「新人」から、すぐにその曖昧さを突く再質問をいただいてしまいました。後になって、その「新人」が一流大学卒業の法曹有資格者だったということが判明するのですが、「質問に対するあなたの回答の本質的な部分について、質問で返されたらあなたの仕事は不完全だったということです。」という尊敬する先輩の言葉を座右の銘にして仕事をしていた当時の私は、自分の未熟さを深く反省したものです。その後の綿密なフォローアップで、それ以降もその担当者からのご依頼を継続的にいただけた、というのが唯一の救いではあったのですが。
折しも2020年のオリンピック開催に向けて、「おもてなし」や「ホスピタリティ」といったキーワードをよく耳にします。これも言葉にするだけなら簡単なのですが、単に日本流のきめ細かいサービスを提供すればよいというだけではなく、これから日本に来られる方がどのような「おもてなし」を求めているのかという視点からの分析が必須でしょう。
そして私に関しては、仕事でもゴルフでも、ぜひもう一度ご一緒したいと思っていただける人間になることを目標にしたいものです。